超微粒子高性能ポリマーセメント系注入材
ファインショットマイクロは、高炉スラグ系微粒子紛体に、高性能減水剤、アクリルエマルジョンを配合した無機系注入材です。
この高性能減水剤により少ない水量で良好な流動性が得られます。
また、アクリルエマルジョンの配合によって優れた接着力が得られます。
 
 特  徴
● 注入性
  表面のひび割れ幅が0.2mm以上あれば、0.1mm程度の内部間隙にも注入可能です。
● 耐久性
  コンクリートの性質に近い無機系注入材なので、経年劣化しにくく耐久性に優れています。
● 低収縮性
  高性能減水剤を配合したことにより混練水量を低下させ、硬化収縮量を抑制しています。
● 防水性
  緻密な硬化体とエマルジョンの造膜により、防水性に優れています。
● 経済性
  同目的に使用されるエポキシ樹脂に比べ、低コストで補修が可能です。
● その他
  湿潤面にも注入が可能です。
  亜硝酸リチウムの先行注入も可能です。
  施工器具は水洗いができ、人体や環境に与える影響が少なくて済みます。
 
 用  途
● コンクリート構造物の亀裂注入。適用間隙は、0.2mm〜5.0mmです。
● 外壁モルタル、タイル等の浮き部注入
 
 配 合 及 び 材 料 使 用 量
注入幅0.2mm〜0.5mm0.5mm〜0.7mm0.7mm〜1.0mm1.0mm〜5.0mm
紛体3kg3kg3kg3kg
混和液0.4kg0.4kg0.4kg0.4kg
1.2kg1.1kg0.9kg0.8kg
練上り量2.67g2.57g2.38g2.27g
積算比重1.271.321.431.50
20℃凝結時間10時間7時間5.5時間4.5時間
 
 荷  姿
20.4kg/ケース(3.4kgセット×6)   紛体3kg 混和液0.4kg
 
 施 工 要 領
 1 調査・診断   ひび割れや浮きが生じた部位、並びにひび割れた幅や長さを調べ展開図等に記録します。
           劣化が進行中のひび割れや安定していないひび割れには適用できません。
 2 清   掃   ひび割れた部位や注入予定の部位表面の汚れ、並びにエフロレッセンスは、適切な工具を用
           いて除去します。
 3 注入部位選定  ひび割れに注入する場合は、ひび割れた幅や深さに応じて1m当たり3〜5箇所
           (20〜30pピッチ)とし、部位を決めたらマーキングします。
           浮き注入する場合の注入口は浮き部下端を選定し、注入確認口は浮いた範囲に応じて数か
           所設けます。
  4 注入口設置   自動式低圧注入器を用いる場合、急結止水材や樹脂接着剤などで台座を注入部位に取付け
           その際、接着剤で注入口を塞がないよう注意しながら注入口を設けます。
           (注入口の設け方は、注入器具や注入容器メーカーの仕様に従って下さい。)
 5 シ ー ル   急結止水材や樹脂接着剤等でひび割れをシールします。
 6 通   水   ひび割れ内部の洗浄とコンクリート躯体への水分供給を目的に、清水を注入します。
 7 混   練   容器に水と混和液を入れ、高速ハンドミキサーで撹拌しながら紛体を入れ、練り玉が
           生じないように混練します。
           混練後は必ず、目開き0.5mm未満の粉ふるいや水きりネット等でこします。
 8 注   入   注入容器に注入器を入れ、台座に取付けて注入を開始します。
           (注入は、注入器具や注入容器メーカーの仕様に従って下さい。
 9 養   生   気温が10℃を下回る場合は2日間、気温が10℃以上の場合は1日間養生します。
10 仕   上   注入材硬化後、注入器具やシール材を除き、施工面を平滑に仕上げます。
  
 
使用上の注意
■ ご使用に際してはSDS(安全データシート)をよく読んで下さい。SDSは購入先にご依頼下さい。
■ 取扱い時は、保護手袋、保護眼鏡、防塵マスク等の適切な保護具を着用して下さい。
■ 製品は直射日光を避け5℃〜35℃で保管して下さい。
■ 混練した注入材は、1時間以内に使い切るように施工を計画して下さい。
■ 採暖が不可能な5℃以下の気温での施工は、しないで下さい。
■ 高温時の練上り温度は、35℃以下になるよう冷水等で調整して下さい。
  望ましい練上り温度は、30℃以下です。
■ 可使時間は1時間ですが、高温時はそれより短くなります。
■ 撹拌により気泡が多く発生した場合は、少し静置して気泡を抜いてから使用して下さい。
■ 他の器具を使用して注入する場合は施工要領書をご覧下さい。
■ 廃棄する場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託して下さい。
■ 本資料の技術情報は、当社試験・研究に基づいたもので、信頼しうる情報と考えられます。
  しかし、記載の諸性能及び特性等は、施工条件等により本資料と異なる結果を生じることがあります。